Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例

5.0

Voigtlander(フォクトレンダー)のULTRON 75mm F1.9を購入しました。


発売当初、あまりの人気ぶりに、どこの店舗でも売り切れが続出していました。
今はだいぶ落ち着いたようですが、それだけ注目度が高かったことをうかがわせます。


このレンズを購入するに当たって、まずはSCにするかMCにするか悩むところかと思います。
それぞれの違いは、以下の通り。

■SC(Single Coating)
・クラシカルな色調を再現
・クラシカルテイストのブラックペイント仕上げ

■MC(Multi Coating)
・限りなくニュートラルな色再現
・モダンな印象のマットブラックペイント


私はオールドレンズに一切興味がない(今のところ)のと、M10-R BPのようなブラックペイントにも興味がないので、SCにする理由が見当たりません。
あまり迷わずにMCの方を購入しましたが、周りを見るとSCを購入された方のほうが多い印象です。
ということで、本レビュー記事は、MCでのものになりますこと、ご承知おきください。

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まずは外観から。
レンズをM11に装着すると、こんな感じ。
細身のボディで、アポズミ75mmなんかとは、ちょっと形状が違う印象です。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例


あれ?と思ったのが、このフード。
金属製ですが、短くて安っぽい感じがして、もうちょっと何とかならなかったのか?と思います。
ボディのマットブラックペイントと同じ質感になっているのですが、SCだとSCのボディに合うようになっているのでしょうか?

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例


一方、フードに被せるキャップはこだわって作ったそうで、Voigtlanderと彫り込みがされています。
ですが、本来こだわるべきなのは、そこじゃないよねw
なお、SCのキャップは、ブラックペイントになっているそうです。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例


大きさがよく分からないと思うので、手持ちのレンズで比較してみました。
左から、APO-Summicron 50mm F2、ULTRON 75mm F1.9、Summarit 90mm F2.5です。
うまい具合に(?)中間の大きさというか、焦点距離に応じて大きくなるという感じです。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例


肝心の描写について。
「開放からシャープ」という謳い文句をこのレンズのレビューでも見かけましたが、とてもそうは思えません。
当初「ピントが合っていないだけだろう」と思っていましたが、そもそもVisoflex2で慎重にピント合わせをしても、ピントの山が見えません。
フォーカスピーキングも反応しません。
特に近接に行けば行くほど顕著なので、50cmまで寄れるレンズとはいえ、出来ればレンジファインダーが使える70cmくらいまでにしておいた方が無難かと思います。
下の写真は、開放で撮ったものですが、ピント面が微妙なのがお分かりいただけると思います。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9


少し距離が離れればまだマシにはなりますが、緊急時以外は0.5段でも絞りたいところです。
0.5段、出来れば1段絞れば、全域で十分シャープになってくれる印象です。
アポズミ75mmのプロファイルを当てていますが、周辺光量落ちも全く気になりません。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9(MC)


「豊潤なボケ味を追求」と謳っているように、うまく撮れればボケは綺麗に思えますが、中途半端なボケには注意したいところです。
背景に気をつけないと、ちょっとうるさいボケになりがちです。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9


こちらは、綺麗なボケの作例です。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9


レンジファインダーを使って75mmレンズで撮影する場合は、x1.4のマグニファイヤーの利用がオススメです。
マグニファイヤーを使うと、格段にピント合わせがしやすくなります
ただし、Visoflex2との併用が難しくなるので、注意が必要です。
このレンズに限った話ではないのですが、右目でVisoflex2をのぞく時に、マグニファイヤーに鼻が当たるのです。
これが結構ストレスになるので、私は併用するのはあきらめて、排他利用しています。


レンジファインダーで撮影する場合は、50mmと75mmのブライトフレームが一緒に見えるので、こちらも注意が必要です。
間違って50mmのブライトフレームで撮影したら、(当たり前ですが)構図がメチャクチャになっていたことがあります😅
気をつけましょう…。

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立体感が出る(出せる)レンズだと思います。
アポズミ50mmで唯一の不満点は、ボケが大きくないので立体感が出しにくいことでした。
その点を解消したくてこのレンズに手を出したと言っても過言ではないのですが、うまくその不満点を解消してくれるのは、非常に嬉しいです。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9(MC)


ストリートスナップでは、かなり撮りやすいレンズと感じます。
被写体に近づく必要がないことと、余計なものを写り込ませないことに長けています。
また、ストリートスナップでは、いちいちVisoflex2をのぞいて厳密にピント合わせすることは少なく、レンジファインダーでの撮影の方がテンポが良いです。
90mmだとレンジファインダーでの撮影は厳しいので、そういった意味でも、75mmレンズ+マグニファイヤーがベストなのです。

Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9(MC)
Voigtlander ULTRON 75mm F1.9 レビューと作例
Leica M11 + Voigtlander ULTRON 75mm F1.9(MC)


この1ヶ月位、ずっとこのレンズを持ち出していましたが、もう他のレンズが使えなくなるんじゃないかというくらいに気に入ってしまいました。
値段も決して高くないので、超オススメのレンズです!

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